没落国家を生き抜く緑内障患者のマネーハック

住宅ローン組んだ年に視野欠損が発覚しました。

THA BLUE HERBの結成20周年によせて・・。ILL-BOSSTINOのダサい歌詞Top3

THA BLUE HERBが結成を20周年を記念したライブを行ったそうです。

THA BLUE HERB 20周年記念ライブ告知|東京日比谷野外大音楽堂

ブルーハーツではなくて、ブルーハーブですよ。日本の、札幌のヒップホップグループです。

 

日本のヒップホップにおけるブルーハーブの立ち位置というのは、それはもう決定的なもので、MCであるILL-BOSSTINO(以下、ボス)の放つ歌詞は、そのメッセージ性の強さ・高い文学性・地方からの対東京宣言などなど、それまでのシーンに存在しなかった要素を多分に盛り込んでおり、1999年の1stアルバム『STILLING,STILL DREAMING』は、「日本語ラップ史上最高のアルバム10枚」といった企画の際に、高い確率で選ばれる1枚となっています。

 

ボスは孤高のリリシストと評され、ボス自身もそれを一身に背負ってきました。それが故に、ボスのダサいリリックは、忘れることができない。私の耳から決して離れることのない、ボスのダサい歌詞トップ3はこちらです。

 

「人斬り」より。◯◯のように△△という言い回しは、ラップにおいて多用される表現ですが、これは最悪なケースです。同曲の中で、「ペンの催促がある生活は最高だ お前が使ってない言葉を買い取ろうか?」と痺れるようなセルフボースティングを決めていた男の言葉とはとても思えません。誰の言葉を買い取ってしまったんでしょう。

 

  • 2位「ルーキーで売る気はオレたちにはない

「COAST 2 COAST 2」より。文字で見るとダサさが若干和らぎますが、ボスはこの歌詞を「ルーキーでウルーキーはオレたちにはない」とラップするので、私はとても許容することができません。

 

  • 1位「歯に衣着せず(はにころもきせず

「THE ALERT」より。10年前の曲ですので、ボスも読み間違いには気付いているかと思いますが、これは孤高のリリシストとして致命的なミスです。ボスと同じ文脈で語られることの多いShing02志人ポエトリーリーディング出身の小林大吾、若手リリシスト筆頭のC.O.S.A.らであれば決して起こさないミスでしょう。ボスがDIS(口撃)の標的としたYOU THE ROCKであれば、下手に慣用句など使わず、「遠慮なくぶちかますぜ」と等身大のラップに落とし込んで表現するでしょうから、やはりこの種のミスは起こしようがありません。

この曲が収録されている『LIFE STORY』という3rdアルバムでボスは、ついに言葉を失ったことを自ら表明(「I FOUND THAT I LOST」)していますが、あの「舌の上に百科事典を隠し持つ男」とまで自負していたボスが、読み方もわからない慣用句を歌詞に利用するほど追い詰められていたのかと思うと、涙を禁じえず、私はボスの動向を追うことをやめました。

あれから10年。いまだ第一線で言葉を紡ぎ続けるボスには、敬意をもっています。

 

「はにころもきせず」を聴くことができるアルバム、『LIFE STORY』